磐梯吾妻スカイラインにある観光基地の浄土平。そこから80分ほど登った一切経山から眺める魔女の瞳「五色沼」と、中腹に広がる鎌沼の畔を半周します。どちらも山だけの歩行ではなく、独特の魅力がある水面を巡ることで、天国の遊歩道を歩いているように感じます。 |
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2022年4月に開設されたばかりの「道の駅ふくしま」。東北中央自動車道福島大笹生ICの出入り口にあり、広大な敷地に子供向けなど各種設備がそろっています。 翌日 土曜日の浄土平の天気予報が、金曜の昼頃になって好転したため、急遽登ることにして岩手から福島市に移動しました(岩手県内や良くない予報)。浄土平まで車で進んでそこで一泊することも考えたのですが、結果的には浄土平はテレビ地上波は圏外、携帯電話もレストハウスの電源が生きている時間以外は圏外(Wifiではなくケイタイの圏外)になっている(auの実績)ので、麓での一泊にして正解でした。 |
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道の駅で朝食と身支度を整えてスカイラインを登ってゆきます。8時頃から晴れマークの予報でしたが、山の上の方はまだ雲がかかっています。気温は低くないのですが風もかなり強く、もう少し回復を待ってからにしました。団体の登山客もバスの中で待機しているようです。 それでも9時前になると続々と登り始めましたので、私たちも出発することにしました。他の方々は防風衣類を目いっぱい着込んで歩き始めますが、登りであの格好ではすぐに暑くなるに決まっています。しかも樹林帯で尾根の陰なので風も弱まります。というわけで長袖だけで歩き始めて正解でした。他の方は途中で止まって服を脱いでいます。 |
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夏の少し前ということで、花たちも各種咲き始めています。 | |
冬季の風下になる部分に雪渓が見えてきました。登山道も雪田を越えますが、あまり急傾斜でもなかったのと下部がブッシュなのでさほど心配せずに登ることができました。 | |
鎌沼分岐(上写真)を右折して、酸ケ平避難小屋とトイレがあるところを過ぎると石ころ道となって高度を上げてゆきます。振り返ると鎌沼と東吾妻山が見通せるようになってきました。 | |
途中で酢ケ平小屋を経由せずに近道をすることが出来たルートと合流しますが、噴火レベルが以前より上がったためか、閉鎖されてしばらく経つようです。初めて登った際にはそちらを回ることができました。 頂上に近づくと西からの風当たりがとても強くなってきました。東側には吾妻小富士が見えてきました。 |
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一切経山の頂上に近づくにつれ、遮るものは無くなって風はますます強くなります。すれ違った体重のあまり多くなさそうな女性はおなかのあたりを押さえていたのですが、近づくと笑いながら「飛ばされないように重石を持っています」とのことでした。子どももいますが、受風面積が小さいためか意外にがんぱって歩いています。 |
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山でこれより強い風に会った経験は、若いころに岩手山山頂であります。あそこの岩質はスコリア(暗色の軽石)状で、四つん這いになって進むと飛ばされてきた石が顔に当たるくらいでした。でも太陽を背に自分の影が霧に浮かび、頭の周りに仏様のような虹がかかる「ブロッケン現象」を体験することができました。 頂上の何やら標柱が沢山あるところを過ぎて三角点のあるところも過ぎてさらに先に進むとしだいに下方の視界が開けてきます! |
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けっこう大勢の登山者が来ていますが、みんな風で衣服がバタバタしています。本当はここで記念写真を撮りたかったのですが、適切な表情を撮れそうもなく、誰かに頼んでもカメラが安定しそうもないので諦めました。 | |
下り道も風の通り道を過ぎるまで押し倒されないように進みます。向こうに避難小屋とトイレ棟が見えてきました。その向こうのT字路を右折して鎌沼の方に進みます。 初めて登った際には小屋は出来ていましたが、トイレは無くて2回目に来た際にはありました。やはり利用者の多い山域では必要だと思います。最近携帯トイレ利用が義務となっている山域も多いですが、利用者目線では結構負担です。大の始末も大変そうです。もう戻ることはできないのでしょうか? |
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その名の通り鎌の刃の形(=三日月)の沼の畔をほとんどが木道で半周してゆきます。 振り返ればさっき登った一切経山、前方には東吾妻山が望まれます。2回目に来た時には、東吾妻山を越えて影場平、鳥子平とたどって浄土平まで戻ったのでした。 |
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水深はあまりないようです水面から庭石が顔をたくさん出している所もあります。どこかの寺院や庭園のようにも見えますが、全て自然が作り出した景観で、もしかすると見本となったのかもしれません。 | |
チングルマは綿毛の形からついた名のようですが、今回はまだつぼみのところもあり、綿毛になる前の花自体が一番きれいに咲きそろった時期に見ることが出来ました。特につぼみの中心部にピンクの星型が観られたのは収穫でした。 | |
吾妻小富士を見下ろしながら少しずつ浄土平に近づいてゆきます。木道が渡る小さな橋から、赤茶色の河床と黄緑の苔の絨毯の見事な色使いに嬉しくなって周遊を終えることが出来ました。 | |
今回のツアーを動画でまとめたものをアップしてありますので、こちらからご覧ください。(右の画像クリックでも開きます) | |
おわり |